キャンバスになった<家跡>

  
台北より台湾高速鉄道(略して「高鉄」)で南へ下ること約1時間40分、初めて降り立った台南の町は、<家跡>の宝庫でした。しかしそれは、古い建物がどんどん姿を消しているということでもあります。日本人をしてしばしば「台北よりもさらに懐かしさを覚える町」と言わしめる台南も、当たり前のことですが、少しずつ変容しているようです。

ところが、そんなよそ者の感傷などどこ吹く風。台湾人の手にかかると、<家跡>がこんなことになってしまいます。

こちらは、道路拡張工事に伴って誕生したと思しき<家跡>です。キャンバスとして堂々たる第二の人生(家生?)を歩みはじめています。

同じ道路沿いには、さらにこんなものも。

突き出た梁もそのままに、お色直し。すっかり観光スポットとして定着しています。「なぜそこでやめた?」というつぶやきも、ここではほとんど無意味です。

ここは台南海安路、その名も「海安街道美術館」。ご紹介した<キャンバス家跡>たちは、夜はご丁寧にライトアップまでされてしまいます。

<キャンバス家跡>はこれ以外にもいくつかありますが、そのうちのひとつ、ショッキングピンクの壁が印象的な作品を、往来堂書店レジ横の壁に展示しています。8日までの期間限定ですので、ぜひお運びください(と、ちゃんと宣伝)。

なお、チャリティー絵はがきで一番人気の「春と福を招く扉」は、この海安路二段を曲がった神農街というところにあります。絵はがきのお求めは往来堂書店まで(と、もう一度宣伝)。 (N)