イタリアでも東奔西走の記
2012.9.1 その1 ミラノ

雨の朝です。ケーキ比率の高い朝食をいただき、地下鉄に乗って、世界遺産に指定されているレオナルド・ダ・ヴィンチ『最後の晩餐』を観に行きます。

こちらは完全予約制。絵画が傷むのを防ぐために、各回25人、15分の見学と決まっているのです。私たちは日本にいる間に、インターネットから10時15分の回を予約しました。見学料6.5ユーロに、予約料1.5ユーロがかかります。

初日にマルペンサ・エクスプレスに乗って到着したカドルナ駅から、てくてく歩くこと10分。『最後の晩餐』のあるサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会に到着しました。(直訳すると「聖母マリア様ありがとう教会」?)

『最後の晩餐』は、左手にある修道院の食堂に描かれています。一般的に、壁画はフレスコ画という手法を用いて描かれるのですが、ダ・ヴィンチはあえて油絵で描いたのだとか。おかげで傷みが激しく、1498年の完成以降、何度も修復が繰り返されているそうです。

ガイドブックの写真で観るよりも、実物のほうがずっと繊細で、絵画にはとんと疎い私たちもぐっと惹きつけられました。予約は少々面倒ですが、これは一見の価値ありです。

教会のすぐ横をトラムが走ってゆきます。古い車両ならなお良し。

さてお次は、サンタンブロージョ教会へ行ってみましょう。

教会の手前にあった門をパチリ。
おや、おやおや?なにか見えませんか?拡大して確認。

 

やっぱり!イタリアに来てはじめての「家跡」でした。

そしてこちらが、ミラノ最古の教会として知られるサンタンブロージョ教会です。建設に着手されたのは、なんと386年!4世紀です。それから何度も改修を重ねているそうですが、聖堂内部の漆喰の天井や壁は9世紀のものだとか。いずれにしても古いです。

聖堂のなかへ入ってみると、なにやらセレモニーが執り行われていました。おしまいには拍手と歓声、そして抱擁しあう人々。9月1日だったので、ひょっとすると大学の入学式とか修道院の入院式(?)とか、そういうものだったのかもしれません。中庭にはお花を積んだ車が停まっていました。

 

サンタンブロージョ教会のお隣には、カトリック大学がありました。
その脇の路地を抜けると、かわいい落書き、うれしい青空。

  

目指すは27番のトラム。ミラノの北西部から中心を抜けて、街の東部にある須賀敦子とペッピーノが暮らしたアパートメント、さらにペッピーノの実家である鉄道官舎までを結ぶ長い路線です。須賀敦子の小説では35番となっていますが、これは路線が延長されたときになくなり、代わりに27番が走るようになったそうです。

その前に、腹ごしらえ。地図に載っていた「カラフリア・ウニオーネ」という店に入ってみました。

海老とズッキーニのサラダ、魚介のパスタ、サフランのニョッキ、エスプレッソ2杯、水、コペルト(席料)で34.9ユーロ。例によって、サラダにはオリーブオイル、バルサミコ酢がボトルごとどすんとついてきました。

おなかがいっぱいになったところで、ミッソーリ駅から27番のトラムに乗ります。

その2につづく。(N)