花嫁の湿度
〜「春は一日結婚パーティ」ができるまで〜


■その1 ひらがな?カタカナ?
 
結婚式を「一箱古本市week」の企画にしてしまおうと言い出したのは、私だった。あれは1年と半年前の冬。ふたりの結婚が正式に決まったときだった。
 
それいいね、とIもすぐに乗ってきて、一箱当日に人力車(車夫は花婿I)でパレードをするだとか、大家さんから一輪ずつ花を渡してもらってブーケにするだとか、「しのばずくん神社」でKさん扮するエセ神主に挙式してもらうだとか、面白半分にアイデアを出しあっては、勝手に夢をふくらませていた。
 
けれど、言いだしっぺのはずの私は、一方で「ヨーロピアンスタイルのゲストハウスウェディング♡」「イングリッシュガーデンでガーデニングパーティ♪」「スタイリッシュなナイトウェディング☆」のような、きらきらした横文字結婚式に心を残してもいた。なにしろ花嫁は主役なのだ。普段どれほどのっぺり平べったい生活をしていても、その日一日くらいは、銀幕スター気分できらきらしてみたっていいだろう。
 
いずれにしても、数ヶ月で準備を整えるには、ちょっとあわただしい。それに、あれこれ夢想する楽しさを、飴玉を転がすように、ゆっくり、大切に味わいたい。
 
ということで、私たちは1年半後、2010年の春に結婚式を挙げることに決めたのだった。(N)
 
 
会場見学?ドレス選び?お楽しみがいっぱいじゃない!
 
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